ここ数年、雑誌やテレビなどでもたびたび注意喚起されている「座りすぎ」による健康被害。
研究では、長時間座り続ける生活が寿命を縮める可能性があるとも指摘されています。
「対策したほうがいいのは分かるけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」
そんな方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、座りすぎ対策の基本は 「立ち上がること」 と 「貧乏ゆすり」 です。
この記事では、
・座りすぎによって起こりやすい健康リスク
・今日からできる具体的な対策方法
・デスクワーク中でも取り入れやすい対策グッズ
について、分かりやすく解説します。
あわせて、仕事をしながらできる「ながら運動」アイテムもご紹介します。
どれも特別な準備は必要なく、運動が苦手な方や忙しい方でも続けやすいものばかりです。
ぜひ最後まで読んで、運動不足や脚のむくみ、腰痛の予防・改善にお役立てください。

日本人の座っている時間は1日7時間で、世界20カ国の中で最も長いという事実をご存じでしょうか?
オーストラリアの研究機関の調査で明らかになりました。
日本のデスクワーカーでは1日10時間座っているというデータもあります。
座りすぎとは「着座したまま30分以上過ごす状態」のこと。
テレビを見ながら、あるいは読書をしながら、ついつい30分以上座り続けていませんか?
座りすぎは下半身の血流を妨げ、あらゆる体調不良を引き起こす原因になっています。
またオーストラリアの研究機関によると、テレビを1時間座って見ることで寿命が22分短くなるという驚くべき結果も…
日常的に30分以上連続して座り続ける習慣があると、血行不良で体調が悪くなってしまうリスクがともないます。
たとえ週末に1〜2時間程度の運動をおこなったとしても、座りすぎは帳消しにはなりません。
座りすぎの解消には、できるだけ立ち上がる意識をし、毎日少しずつでも継続できる運動や貧乏ゆすりをするなどの小さな積み重ねが大切です。
参考:スポーツ庁「日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・」
あるテレビ番組で紹介された実験によれば、血流の速度は、座ってからたった5分で急激に下がりはじめます。
30分座り続けると、血流の速度はなんと70%も低下するというのです。
血流が悪化すると、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病といった病気を引き起こすことも。
血流の悪化は体だけではなく自律神経と密接に関係し、心にも影響を与えることがわかっています。
血流の促進には、ふくらはぎと太ももが大きな役割を果たします。
人間の血液の約70%が、重力の働きにより下半身に集中しています。
下半身の血液を心臓に戻すポンプのような働きをするのがふくらはぎです。血流改善に重要な役割を担っています。

太ももには大腿四頭筋とよばれる、体のなかで最も厚みのある筋肉がついています。大きな筋肉を動かせば、効率のよい血流改善が可能です。

さらに、股関節のまわりには大きな血管やリンパ節があります。
その周辺が固まると血流が悪化するので、股関節をほぐす貧乏ゆすりのような運動がおすすめなのです。

座りすぎがどのような症状を引き起こすのか、代表的な以下5つの健康被害についてそれぞれ詳しく解説します。
座りっぱなしで股関節を動かさずにいると、腰痛が起こりやすくなります。
股関節の周りは、坐骨神経など重要な神経が集中する場所です。
座ったままの姿勢では、それらの神経が圧迫され腰周辺に痛みが出ます。
圧迫されるのは神経だけではありません。
股関節の周りには、上半身と下半身をつなぐ大きな血管があります。
座ると血管が90度に折れ曲がり、血流が悪くなるので腰痛が出やすくなります。

加えて、座っている姿勢は腰への負担が想像以上に大きいことも問題です。
立っているときの腰への負担(椎間板内圧)を100とすると、座位姿勢では約140にまで高まります。
この状態が長時間続くと、腰痛や椎間板ヘルニア、慢性的な腰の違和感につながりやすくなります。
腰痛を軽減するには少なくとも30分に一度は立って血流を流し、座っている間も貧乏ゆすり運動などで股関節を固まらせないような工夫が必要です。
具体的な対策方法については、後述の「【簡単】今日からできる座りすぎ対策5選」でお話します。
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座りすぎで起こりやすい健康被害の2つ目は、エコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群とは、長時間狭い座席に座り続けることで血流がとどこおり、静脈に血栓ができる症状をいいます。
その血栓が立ち上がったときに肺に飛んで血管が詰まり、最悪の場合は死に至る恐ろしい病気です。
座りっぱなしでは股関節や脚の筋肉が動かず、全身の血流が悪くなることが原因です。
大阪大学の研究チームが40歳〜79歳の男女約8万6,000人に対しておこなった調査では、1日5時間以上座ってテレビを見る人はエコノミークラス症候群で死亡するリスクが増加するという結果が出ています。
エコノミークラス症候群は、一般的には飛行機や電車で座りっぱなしの場合に使われる用語です。
しかし近年のデスクワークやインターネット中心の生活により、家の中でもエコノミークラス症候群になるリスクが高まっているので、注意しましょう。
座りすぎによる健康被害の3つ目が、代謝の低下です。
太ももには、身体の中で最も大きな筋肉である大腿四頭筋があります。
下半身を動かさない状態が長時間続くと、この筋肉の働きがほとんど止まってしまいます。
すると、糖代謝や脂肪分解に関わる働きも低下し、肥満や生活習慣病のリスクが高まるのです。
また、ふくらはぎは血液を下半身から心臓へ戻す「ポンプ」の役割を担っていますが、座っている間はほとんど動いていません。
さらに股関節も固定されるため、血流やリンパの流れが滞りやすくなります。
このように下半身の循環が悪くなることで、代謝の低下だけでなく、足の冷えやむくみにもつながります。
座りながら下半身を動かす方法としては、ふくらはぎや股関節を動かせる貧乏ゆすり運動が手軽で効果的です。
座りすぎによる健康被害の4つ目にお伝えするのは「肩こり」です。
座りすぎで下半身の筋肉が収縮しないまま固まると、全身の血流が悪化します。血行不良は肩こりを引き起こす一因です。
また長時間同じ姿勢で座ったままだと首や肩に負担がかかり、筋肉が固くなってこりや痛みが生じやすくなります。
漢方や心理学の世界では、血流と思考は深く関係していると考えられています。
座りすぎによって血流が悪化すると、脳に十分な酸素や栄養が行き渡りにくくなり、気分の落ち込みや集中力の低下を招きやすくなります。
そしてストレスや不安が増えると、交感神経が過剰に働き血管が収縮するので、血流がさらに悪化するという悪循環に陥ります。
また、長時間座っている生活は、身体活動だけでなく人との交流や刺激も減りやすく、生活全体が「不活発な状態」になりがちです。
その結果、やる気が出ない、気分が晴れないといったメンタルヘルスへの影響が現れることもあります。
次に、簡単にできる座りすぎの対策を5つご紹介します。
1)〜5)は、ご自身の状況によってできるものを組み合わせるとより効果的です。
これまでもお伝えしてきた通り、座りすぎの目安は「30分以上続けて座ること」です。
血流を保つために、少なくとも30分に1度、3分ほど立つことを目標にしましょう。
立ち上がるだけでも、座り続けることで圧迫されていた血管が解放され、血流が改善しやすくなります。
ポイントは、「ただ立つだけ」で終わらせないこと。
たとえば
・洗い物をする
・コピーを取りに行く
・少し部屋を歩く
など、立つタイミングでやる行動を決めておくと、自然に続けやすくなります。
少し動くだけでも、ふくらはぎの筋肉が刺激され、血液を心臓に戻すポンプ機能が働きやすくなります。
1日の合計座位時間を気にするよりも、「座り続けないこと」「30分に1度立つこと」を意識する方が、体への負担は確実に減らせます。

座りすぎの対策として2つ目におすすめするのが「貧乏ゆすり」運動です。
貧乏ゆすりは、太ももと股関節、ふくらはぎを同時に動かせる運動です。
股関節周辺の坐骨神経を座りすぎによる圧迫から開放し、リンパと血液を流して代謝をよくします。
その結果、腰痛やエコノミークラス症候群、むくみなどの座りすぎ対策に効果が期待できます。
1日に複数回行うと、効果を感じやすくなるでしょう。
【貧乏ゆすりのやり方】
①つま先を床につけたまま、かかとだけを上下に小刻みに動かす
②片足20秒ずつ、交互に行う
ポイント:
貧乏ゆすりの効果についてより詳しく知りたい方は、貧乏ゆすり(ジグリング)は股関節の痛みや筋力アップにも効果的!の記事もご覧ください。
自力で貧乏ゆすりをするのは面倒に感じる、そもそも足や腰に痛みがあってできない、仕事中になかなか立ち上がれないという方には健康グッズを使った貧乏ゆすり運動がおすすめです。
「ながら運動」なのに、自力でやるより手軽に大きな効果を得られます。
たとえば、あしふみ健康ライフを使ってあしふみ運動(貧乏ゆすり運動)できる回数は、なんと5分で1,000回。20分のウォーキングに匹敵する運動量です。
パソコン作業や読書、勉強をしながら取り入れると効率的ですね。
足を小刻みに動かすと脳神経が刺激されるため、集中力の持続、モチベーションの向上にもつながります。
【3】スキマ運動を取り入れる座りすぎ対策の3つ目のおすすめは、スキマ運動です。
毎日のウォーキングなど大きな目標は、継続が難しい側面があります。
それよりは、こまめに無理のない運動を取り入れる方が、座りすぎ対策には効果的です。
具体的には、
など。
とくに階段は、ふくらはぎを活性化させ血流をアップするのに最適な運動方法です。
積極的に日々の生活に取り入れてみましょう。
座りすぎ対策のおすすめ、4つ目は「正しい姿勢で座る」です。
肩や腰が痛くなる座り方の代表例は以下の通り。
反り腰と猫背は、いずれも体の重心が中心からずれている状態で、女性に多い座り方です。
理想的な座り方は猫背と反り腰の中間で、図のように座面に骨盤骨盤を立てるような座り方です。
仙骨座りとは、骨盤が後ろに倒れ、おへその部分で上体が折れる座り方をいいます。
圧迫によって内臓の機能が低下する恐れもあるので注意しましょう。


スタンディングデスクとは、立って作業するための机です。
使う人や作業内容に応じて高さが調整できるようになっています。
北欧ではすでに立って働くスタイルが普及していますが、日本での普及率はまだ低く、一部の企業で導入されているのみです。
スタンディングデスクを使う時の注意点は、座っている時と同じく長時間同じ姿勢のままでいないこと。
たとえば脚を動かしてみたり、机の高さを変えて立ったり座ったりしてみるのもおすすめです。
長時間座りっぱなしの状態が続くと、血流が滞り、筋肉のこわばりや疲労感が溜まりやすくなります。
座りすぎ対策では「激しい運動」よりも、こまめに体を動かして座位を中断することが大切です。
ここでは、仕事中や自宅で今すぐ実践できる座りすぎ解消運動を5つご紹介します。

股関節と太ももの筋肉が刺激され、血流改善につながります。
やり方:
1.イスに深く腰かけ、両手でイスの座面をつかむ
2.両足をまっすぐ伸ばし、クロスさせる
3.両足を押し合う
回数:
左右それぞれ10回ずつ

ふくらはぎを意識しながら、反動をつけずに行いましょう。
やり方:
1.イスに腰かけます
2.足のつま先を床につけたまま、かかとをゆっくり持ち上げ、下ろす
回数:
20回 × 2セット

首や肩に力が入らないよう、呼吸を止めずに行いましょう。
やり方:
1.椅子に座ったまま背筋を伸ばし、両肩に軽く手を添えます。
2.肘で前に円を描くように、肩をゆっくり大きく回します。
3.同様に後ろ側へも回す
回数:
前回し・後ろ回し 各10回ずつ

無理のない範囲で、呼吸を止めずに行いましょう。
やり方:
1.イスの前に立ち、背筋を伸ばす
2.深くしゃがむ必要はなく、イスに軽く触れる程度まで腰を下ろし、ゆっくり立ち上がります。
回数:
10回
やり方:
1.イスに座った状態で、机や椅子の縁につかまる
2.お尻を少しだけ浮かせ、そのまま5秒キープします。
回数:
5秒キープ × 5回

座りすぎで全身の血流が悪化します。
その結果、腰痛や肩こり、脚のむくみのみならずエコノミークラス症候群という最悪の場合には死に至るケースも引き起こしかねません。
デスクワークで座りっぱなしになる方はもちろん、家で座ってテレビを見る時間の長い方などは注意したいところです。
とはいえ30分に1回立って動くのを忘れてしまう、もしくは運動が続かないという方も多いかと思います。
その場合は、デスクワークやテレビを見ながらでも簡単に貧乏ゆすりと同じ効果が得られる「ながら座りすぎ対策」がおすすめです。
運動が続かないという方でも、これなら毎日続けられるでしょう。
私たち健幸ライフは早期から「座りすぎ」に着目し研究を重ね、座りすぎ対策ができる商品を開発しております。
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参考文献:
岡浩一朗著(2017)『長生きしたければ座りすぎをやめなさい』ダイヤモンド社
はらしま順子著(2021)『肩こりは生活習慣で治す:マッサージや整体に通い続けてもあなたの肩こりが完治しない本当の理由』
木津直昭著(2016)『肩こり・腰痛が消えて仕事がはかどる 究極の座り方』文響社
Tarzan(ターザン)編集部『Tazan(ターザン)2023年2月9日号No.849「座りすぎ」が、寿命を縮める!』マガジンハウス
槙孝子著(2013)『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』アスコム
堀江昭佳著(2016)『血流がすべて解決する』サンマーク出版
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