「夕方になると足がパンパンになる」
「靴下の跡がくっきり残る」
「高齢になってから足が重だるく感じることが増えた」
このような足のむくみに悩んでいませんか。
高齢になると、ふくらはぎの筋力低下や座って過ごす時間の増加により、足の血流やリンパの流れが滞りやすくなります。
そのため、足のむくみが起こりやすくなるのです。
多くの場合、生活習慣を見直したり、足を動かす習慣を取り入れたりすることで、足のむくみの改善が期待できます。
ただし、足のむくみの中には、心臓・腎臓・血管などの病気が関係しているケースもあります。
国立長寿医療研究センターでも、足の腫れやむくみの原因には心不全、腎不全、深部静脈血栓症、静脈瘤、リンパ浮腫などがあるとされています。
この記事では、高齢者の足がむくみやすい原因、今日からできる解消法、病院を受診すべき症状についてわかりやすく解説します。

足のむくみとは、皮膚の下に余分な水分がたまっている状態です。
本来、血液やリンパ液は体の中をめぐりながら、余分な水分や老廃物を回収しています。
しかし、足の血流やリンパの流れが悪くなると、水分が足にたまりやすくなり、むくみとして現れます。
高齢者の足のむくみは、加齢だけが原因ではありません。
筋力の低下や座る時間の増加など、複数の要因が重なることで起こりやすくなります。
主な理由は次の3つです。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足にたまった血液を心臓へ戻すポンプのような役割をしています。
しかし、年齢を重ねると筋力が少しずつ低下し、ふくらはぎのポンプ機能も弱くなります。
その結果、血液や水分が足にたまりやすくなり、足首やふくらはぎのむくみにつながります。
高齢になると、外出や運動の機会が減り、椅子やソファに座って過ごす時間が長くなりがちです。
座ったまま長時間過ごすと、ふくらはぎの筋肉を使う機会が減り、足の血流やリンパの流れが滞りやすくなります。
特にテレビを見ている時間が長い方、足腰の痛みで歩く機会が少ない方、車椅子で過ごす時間が長い方は、足のむくみが慢性化しやすい傾向があります。
加齢により、体内の水分バランスを調整する力も変化します。
また、腎臓や心臓などの働きが低下している場合、体内の余分な水分をうまく処理できず、むくみとして現れることがあります。
そのため、高齢者の足のむくみは「年齢のせい」と決めつけず、症状の出方をよく見ることが大切です。

ここからは、高齢者の足のむくみを解消・予防するために、自宅でできる対策を紹介します。
無理に激しい運動をする必要はありません。大切なのは、足を少しずつ動かす習慣をつくることです。
足のむくみ対策でまず意識したいのが、座りっぱなしの時間を減らすことです。
長時間同じ姿勢でいると、足の血流が悪くなり、むくみが起こりやすくなります。
テレビを見ているときや読書中でも、30分〜1時間に一度は立ち上がったり、足首を動かしたりすることを心がけましょう。
立ち上がるのが難しい場合は、座ったまま足首を動かすだけでもかまいません。
足のむくみを解消するには、ふくらはぎの筋肉を動かすことが大切です。
ふくらはぎが動くことで、足にたまった血液を心臓へ戻す働きが助けられます。
おすすめは、かかと上げ運動です。
【かかと上げ運動のやり方】

※ふらつきがある方は、無理に立って行わず、椅子に座ったままかかとを上げ下げしましょう。
足首を動かすことも、足のむくみ解消に役立ちます。
高齢者の場合、歩く時間が少なくなると足首まわりが硬くなり、血流が滞りやすくなります。
座ったままできる足首運動を取り入れてみましょう。
【足首運動のやり方】

※1回1〜2分でも、こまめに行うことが大切です。
足のむくみが気になるときは、ふくらはぎや足首をやさしくマッサージするのもよいでしょう。
強く押す必要はありません。皮膚をさするように、足先からひざに向かってやさしくなで上げます。
【足のマッサージのやり方】

入浴後など、体が温まっているタイミングに行うと続けやすくなります。
ただし、片足だけが強くむくんでいる場合や、痛み・熱感がある場合は、マッサージをせず医療機関に相談してください。
「むくむから水分を控えたほうがいい」と思う方もいますが、水分不足はかえってむくみにつながることがあります。
体の水分が不足すると、体は水分をため込もうとします。その結果、余分な水分が排出されにくくなることがあります。
高齢者は加齢により、のどの渇きを感じにくくなるため、意識してこまめに水分をとることが大切です。
厚生労働省の高齢者向け熱中症対策資料では、1日あたり1.2Lを目安に、1時間ごとにコップ1杯、入浴前後や起床後にも水分補給をするよう呼びかけています。
ただし、水分や塩分の摂取量は、かかりつけ医の指示に従う必要があります。
心臓や腎臓の病気で水分制限がある方は、自己判断で水分量を増やさず、医師に相談してください。
塩分のとりすぎも、足のむくみの原因になります。
塩分を多くとると、体は塩分濃度を調整するために水分をため込みやすくなります。
味噌汁、漬物、加工食品、インスタント食品などは塩分が多くなりやすいため、量に注意しましょう。
減塩のコツは、次の通りです。
無理な制限ではなく、毎日の食事で少しずつ塩分を控えることが大切です。
体が冷えると血流が悪くなり、足のむくみが出やすくなります。
特に高齢者は筋肉量が減りやすく、体が冷えやすい傾向があります。
足元を冷やさないように、靴下やひざ掛けを活用しましょう。
夏場でも、冷房で足元が冷えていることがあります。
また、入浴で体を温めることも血流改善に役立ちます。
ただし、心臓や血圧に不安がある方は、熱すぎるお風呂や長風呂は避け、体調に合わせて入浴しましょう。
アルコールのとりすぎや喫煙も、血流に影響を与え、むくみやすい状態につながることがあります。
お酒を飲む方は、飲みすぎに注意し、水分も一緒にとるようにしましょう。
喫煙習慣がある方は、いきなり禁煙が難しくても、本数を減らす、禁煙外来に相談するなど、できるところから始めることが大切です。

足のむくみの多くは、生活習慣や血流の滞りによって起こります。
しかし、中には病気が関係しているむくみもあります。
特に次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
国立長寿医療研究センターでは、今まで問題なかった動きで息苦しくなる、脈が速くなる、寝ているときに息苦しくなる、すねを押すとへこんで戻らないといった症状は、心不全の可能性があると説明しています。
足のむくみは、心臓や腎臓、血管などの病気が原因で起こることもあります。
自己判断で放置せず、不安な場合はかかりつけ医に相談しましょう。
参照元:国立長寿医療研究センター「足の腫れむくみの原因は?」
足のむくみで受診する場合は、まずはかかりつけ医または内科に相談するのがおすすめです。
足のむくみの原因は、心臓・腎臓・血管・リンパ・薬の副作用などさまざまであるため、まず原因を調べることが大切です。
診察の結果、必要に応じて循環器内科や腎臓内科、血管外科などを紹介してもらえます。
慢性的な足のむくみが続き、原因がはっきりしない場合は、「足のむくみ外来」「リンパ浮腫外来」などを設けている医療機関を受診する方法もあります。
「何科を受診すればよいかわからない」という場合は、まず内科やかかりつけ医に相談すると安心です。

高齢者では、足のむくみが長期間続く「慢性下肢浮腫」がみられることがあります。
慢性下肢浮腫とは、主にひざから下のむくみが慢性的に続く状態のことです。
加齢や活動量の低下によって起こることもありますが、心臓や腎臓、血管、リンパの病気が原因となっている場合もあります。
また、加齢や活動量の低下による足のむくみでは、次のような特徴がみられることがあります。
ただし、これらの特徴に当てはまるからといって、原因を自己判断することはできません。
特に高齢者は「年齢のせい」と考えて放置せず、むくみが長く続く場合や急に悪化した場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

足のむくみを解消・予防するには、ふくらはぎや足首をこまめに動かすことが大切です。
とはいえ、高齢者の中には、
という方も少なくありません。
そこでおすすめなのが、座ったまま足を動かす習慣です。
あしふみ健幸ライフ(ゆるふみ)は、椅子に座ったまま足をゆらすように動かせる健康器具です。
足元に置いて足を乗せるだけで、ふくらはぎや足首を無理なく動かせます。
テレビを見ながらや読書をしながらなど、毎日の生活の中で自然に運動習慣を取り入れられるのが特長です。
足のむくみ対策で大切なのは、特別な運動を一度だけ頑張ることではありません。
毎日少しずつ、足を動かす時間を増やすことです。
「歩くのはつらいけれど、足のむくみを少しでも楽にしたい」
「座りっぱなしの時間が長く、足の重だるさが気になる」
そのような方は、座ったままできる足踏み習慣から始めてみてはいかがでしょうか。
参考文献:
長﨑 和仁著『足の先生!足のむくみ、だるさ、冷え、下肢静脈瘤どうすればラクになるか教えてください。』アスコム (2021/3/20)
関連記事:
高齢者の足のむくみは、ふくらはぎの筋力低下や座る時間の長さ、血流やリンパの流れの低下などが重なって起こりやすくなります。
足のむくみを解消するためには、座りっぱなしを避けることや、足首・ふくらはぎを無理なく動かすことが大切です。
一方で、片足だけが急にむくむ場合や、息切れ・動悸を伴う場合は病気が隠れていることもあります。
気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
毎日の生活の中で無理なく足を動かす習慣を取り入れ、足のむくみを予防・改善していきましょう。
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