2025.11.25 すべり症

高齢者に多い腰椎すべり症をわかりやすく解説!原因とラクになるコツまとめ

高齢の方に多い「すべり症」は、いつのまにか進行し、腰の痛みやしびれ、歩きにくさとして現れます。

「年齢だから仕方ないのかな…」と思いがちですが、早めに気づけば生活の工夫だけでも負担を減らせます。

この記事では、

  • ・すべり症の症状
  • ・原因
  • ・日常でできるケア

まで、わかりやすく解説します。

ご本人やご家族が、安心して対策を始められる内容です。

(腰椎)すべり症とは?高齢者に多い理由をわかりやすく解説

はじめに、高齢者に多いすべり症について、概要をお伝えします。

すべり症とは?

すべり症(腰椎すべり症)とは、腰の骨(腰椎)が本来の位置から前後にずれて神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす状態です。

たとえるなら、積み木が少し前にずれてしまうようなもの。

積み木がずれるとバランスが崩れるように、腰の骨がずれると周りの神経が刺激され、痛みが出ます。

なぜ高齢者に多いの?

加齢とともに、背骨を支えるクッション(椎間板)や関節が弱くなり、骨を支える力が落ちていきます。

その結果、

・姿勢の悪化(猫背や反り腰)
・筋力の低下
・骨の変形
・椎間板のすり減り

などの、体の変化が生じます。

これらの要因が複数重なり、すべり症が起こりやすくなるのです。

「いつから痛いのか分からない」
「最近、歩くと足が重く感じるようになった」

こうした、ゆっくり進行する症状もすべり症の特徴です。

すべり症の主な症状|痛みだけじゃないサインに注意

すべり症の症状は、実は「腰の痛み」だけではありません。

たとえば、

☑️ 立ち上がる時に腰がズキッとする
☑️ 長く立っていると腰が重い
☑️ 歩くと足にしびれが出る
☑️ 少し休むと楽になる(間欠性跛行)
☑️ 腰からお尻にかけてだるさがある

などが代表的です。

とくに「休むと楽になるのに、歩くとまたつらい」
という特徴は、すべり症や脊柱管狭窄症に多い傾向があります。

また、ご本人が自覚しにくい変化でも、ご家族の目から見ると気づきやすいサインがあります。

☑️ 歩くスピードが遅くなった
☑️ 立ち止まる回数が増えた
☑️ 杖が必要になってきた

こうした小さな変化も、すべり症のサインかもしれません。

気になる症状があれば、早めに対策を始めていきましょう。

関連記事:

すべり症で歩けないほどつらいときの不安を解消する体の動かし方

高齢者のすべり症によくある5つの原因

すべり症は、ひとつの原因で起こるわけではなく、複数の要素が重なって引き起こされます。

ここでは、よくある以下5つの原因についてかみ砕いて説明します。

  • ① 椎間板(クッション)のすり減り
  • ② 関節や靱帯がゆるむ
  • ③ 腰まわりの筋力の低下
  • ④ 長年の姿勢のクセ
  • ⑤ 骨粗鬆症による骨のもろさ

① 椎間板(クッション)のすり減り

背骨と背骨のあいだにある「椎間板」には、衝撃を吸収し、骨同士がぶつからないようにするクッションの役割があります。

しかし年齢とともに水分が減り、薄く・硬く・弾力が弱くなります。

その結果、骨を安定して支える力が低下し、腰椎がずれやすくなるのです。

② 関節や靱帯がゆるむ

背骨と背骨をつないでいるのが「関節」や「靱帯」です。

これらは本来、骨が前後にズレないように固定するバンドのような役割をしています。

しかし、年齢とともにこのバンドが弱くなると、骨をしっかり支えられなくなります。

この「支えの弱まり」が、すべり症の大きな原因のひとつです。

③ 腰まわりの筋力の低下

腰まわりの筋肉(腹筋・背筋・お尻の筋肉)は、腰の骨(腰椎)を支える柱のような役割をしています。

家でも、柱がしっかりしていれば建物は安定しますが、柱が弱るとグラグラしますよね。

同じく、腰まわりの筋肉が弱くなると 骨がずれないよう支える力が足りず、すべり症の痛みやしびれが出やすくなります。

④ 長年の姿勢のクセ

長年の姿勢のクセは、腰の骨に同じ方向の力をかけ続けてしまうため、すべり症のリスクを高めます。

とくに、

  • ・背中が丸い「猫背」
  • ・お腹を前に突き出す「反り腰」
  • ・中腰が多い家事(掃除・洗濯・台所仕事)

こうした姿勢は、腰椎に偏った負担をかけ続けます。

高齢者の姿勢の悪化について、より詳しくは以下の記事でお話しています。

【高齢者の姿勢(円背・猫背)改善に】簡単で続けられる対策法

⑤ 骨粗鬆症による骨のもろさ

骨粗鬆症で骨密度が低くなると、骨そのものがもろくなり、背骨の強度も低下します。

すると、

  • ・体を支える土台としての力が弱くなる
  • ・軽い負担でも背骨の形が変わりやすくなる
  • ・背骨が前後にズレても支えきれない

という状態に。

骨が弱ると腰椎のすべりが進行しやすくなります。

【危険な症状は病院へ】すべり症で早めに受診すべきケース

次のような症状がある場合は、自分で改善しようとせず早めに受診しましょう。

☑️ 足のしびれが急に強くなった
☑️ 膀胱や腸の症状(尿が出にくい・漏れる・便意が分かりにくい)
☑️ 歩けないほどの強い痛み
☑️ 寝返りも打てない鋭い痛み
☑️ 熱をともなう痛み(感染症の可能性)

いつもの腰痛とは違うと感じたら、早めに医療機関へ行くことが大切です。

【日常の習慣を整えるだけ】すべり症のセルフケア5選

すべり症は、治療だけでなく 日々の生活習慣を少し整えるだけでも痛みが軽くなる ことがあります。

ここでは、今日からできる簡単なセルフケアを5つご紹介します。

  • ① 座る姿勢を見直す
  • ② 長時間同じ姿勢を続けない
  • ③ 腰を冷やさない
  • ④ 中腰や前かがみを減らす工夫をする
  • ⑤ 寝具の見直しをする

① 座る姿勢を見直す

猫背や背中の丸まりは腰椎に負担をかけ、痛みが強まりやすくなります。
座るときは次のポイントを意識しましょう。

  • お尻を椅子の奥に入れる
  • 骨盤を軽く立てる
  • 足裏は床につける

このように姿勢を整えるだけで、痛みが軽くなるケースも多々あります。

② 長時間同じ姿勢を続けない

同じ姿勢が続くと、腰のまわりの筋肉が固まって痛みが出やすくなります。

対策として、以下の2点を心がけましょう。

  • ・30分に1回は、立ち上がって少し動く
  • ・立てない日は足をゆっくり上下させる

これだけでも血流が改善し、痛みの予防につながります。

③ 腰を冷やさない

冷えは筋肉を硬くし、神経の痛みも悪化しやすくなります。

  • ・薄手の腹巻き
  • ・温かい服装
  • ・就寝時は腰・お腹を冷やさない

などの小さな温め習慣が、腰のこわばりをやわらげます。

④ 中腰や前かがみを減らす工夫をする

前かがみの姿勢は、すべり症の方には負担が大きい動作です。

たとえば、

  • ・洗濯カゴは高い位置に置く
  • ・掃除は柄の長い道具を使う
  • ・台所の高さを調整する

といった対策をして、無意識に前かがみにならないように環境を整えるのがポイントです。

⑤ 寝具の見直しをする

柔らかすぎる布団・沈むマットレスは腰に負担がかかります。

すべり症の方は、以下のような工夫をしてみましょう。

  • ・適度に硬い寝具
  • ・仰向けで寝るときは膝下にクッション
  • ・横向きで寝るときは膝の間に枕

体が安定し、痛みが出にくくなります。

すべり症の人が避けたいNG動作

ここでは、日常生活で避けたい動作を以下4つの順にお伝えします。

  • ① 朝イチの前かがみ
  • ② 重い荷物を持つ・ねじる
  • ③ 長時間の立ちっぱなし・反り腰
  • ④ 一日中の座りっぱなし

① 朝イチの前かがみ

起きた直後の体は筋肉が固まりやすくなっています。

以下のような前かがみは、腰椎のすべりを助長しやすい姿勢です。

  • ・床のものを拾う
  • ・靴下を履く
  • ・勢いよく起き上がる

これらの動作は避け、起きたらまず腰をゆっくり伸ばす動作からはじめましょう。

② 重い荷物を持つ・ねじる

「持つ+ねじる」の組み合わせは、すべり症にとって最も負担の大きい動作です。

以下のような動作は避けましょう。

  • ・買い物袋を片手で持つ
  • ・洗濯物を重いカゴのまま運ぶ
  • ・無理な姿勢で物を持ち上げる

袋は分ける・台の上で作業するなど工夫をするとよいでしょう。

③ 長時間の立ちっぱなし・反り腰

家事や買い物でありがちな姿勢です。

とくにお腹を前に突き出す反り腰は、腰の関節に強い負担がかかります。

たとえば、以下のような工夫をしてみましょう。

  • 料理のときに片足を踏み台に乗せる
  • こまめに姿勢を変える

これだけでも腰への負担が軽くなります。

④ 一日中の座りっぱなし

「痛いから動かない」は逆効果です。
じっとしているほど血流が落ち、神経痛が悪化しやすくなります。

座りっぱなしを避け、こまめな小さな動きを心がけましょう。

歩けない・動けない人は「座ったままの運動」が最適

すべり症は、動かさなさすぎても痛みが悪化しやすい病気です。

とはいえ、歩く・立つがつらい日もある のが高齢者のすべり症の特徴。

そこで最適なのが、イスに座ったままできる軽い運動 です。

座ってできる運動をおすすめする理由

とくに高齢者のすべり症では、以下の理由から、座ったままの運動をおすすめします。

  • 腰に体重をかけずに動ける
  • 転倒の心配がない
  • 痛みが出にくい
  • 下半身の血流を改善できる
  • 高齢者でも継続しやすい

イスに座っての運動は、腰への負荷が少なく、安全です。

運動の目的は「筋力維持」と「血流改善」

すべり症の進行を防ぐために大事なポイントは、「筋力維持」と「血流改善」です。

  • ・腰の骨を支える筋肉を弱らせない
  • ・神経を圧迫するこわばりを減らす
  • ・体を固めない

これらのポイントを意識して、簡単な運動を取り入れましょう。

この「座ってできる運動」については、以下の記事でより詳しい内容をお話ししています。

腰椎すべり症「やっていい運動・ダメな運動」悪化を防ぎ痛みを和らげる運動法

「あしふみ健幸ライフ」はすべり症の高齢者に最適な運動サポート器具

すべり症は、筋力の低下・姿勢・クッションの弱まりなど、
年齢とともに起こる変化が重なって起こります。

大切なのは、
痛みを悪化させない生活の工夫と、無理のない運動を続けること。

とはいえ「痛い日は動くのが怖い…」と不安を感じる方も多いでしょう。

そんな方には、座ったまま自然に足を動かせるサポート器具の使用をおすすめします。

なかでも、ご高齢ですべり症の方と相性が良いのが 、あしふみ健幸ライフです。

特許の構造でわずかな力でもスムーズに足が動き、ふくらはぎ・太もも・股関節が自然にほぐれます

痛みが強い日でも足を置いて軽く動かすだけで取り組めるため、無理なく習慣化しやすいのが特長です。

「頑張る運動がつらい」「でも何もしないと痛みが悪化しそう」

そんな方にこそ、「ラクに続けられる運動」が心強い味方になります。

毎日の小さなケアで、すべり症と上手に付き合っていきましょう。

関連記事:

「足が痛くてもできるやさしい運動」で歩けなくなる悪循環を断つ!

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