高齢の方に多い「すべり症」は、いつのまにか進行し、腰の痛みやしびれ、歩きにくさとして現れます。
「年齢だから仕方ないのかな…」と思いがちですが、早めに気づけば生活の工夫だけでも負担を減らせます。
この記事では、
まで、わかりやすく解説します。
ご本人やご家族が、安心して対策を始められる内容です。

はじめに、高齢者に多いすべり症について、概要をお伝えします。
すべり症(腰椎すべり症)とは、腰の骨(腰椎)が本来の位置から前後にずれて、神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす状態です。

たとえるなら、積み木が少し前にずれてしまうようなもの。
積み木がずれるとバランスが崩れるように、腰の骨がずれると周りの神経が刺激され、痛みが出ます。
加齢とともに、背骨を支えるクッション(椎間板)や関節が弱くなり、骨を支える力が落ちていきます。
その結果、
・姿勢の悪化(猫背や反り腰)
・筋力の低下
・骨の変形
・椎間板のすり減り
などの、体の変化が生じます。
これらの要因が複数重なり、すべり症が起こりやすくなるのです。
「いつから痛いのか分からない」
「最近、歩くと足が重く感じるようになった」
こうした、ゆっくり進行する症状もすべり症の特徴です。

すべり症の症状は、実は「腰の痛み」だけではありません。
たとえば、
☑️ 立ち上がる時に腰がズキッとする
☑️ 長く立っていると腰が重い
☑️ 歩くと足にしびれが出る
☑️ 少し休むと楽になる(間欠性跛行)
☑️ 腰からお尻にかけてだるさがある
などが代表的です。
とくに「休むと楽になるのに、歩くとまたつらい」
という特徴は、すべり症や脊柱管狭窄症に多い傾向があります。
また、ご本人が自覚しにくい変化でも、ご家族の目から見ると気づきやすいサインがあります。
☑️ 歩くスピードが遅くなった
☑️ 立ち止まる回数が増えた
☑️ 杖が必要になってきた
こうした小さな変化も、すべり症のサインかもしれません。
気になる症状があれば、早めに対策を始めていきましょう。
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すべり症は、ひとつの原因で起こるわけではなく、複数の要素が重なって引き起こされます。
ここでは、よくある以下5つの原因についてかみ砕いて説明します。
背骨と背骨のあいだにある「椎間板」には、衝撃を吸収し、骨同士がぶつからないようにするクッションの役割があります。
しかし年齢とともに水分が減り、薄く・硬く・弾力が弱くなります。
その結果、骨を安定して支える力が低下し、腰椎がずれやすくなるのです。
背骨と背骨をつないでいるのが「関節」や「靱帯」です。
これらは本来、骨が前後にズレないように固定するバンドのような役割をしています。
しかし、年齢とともにこのバンドが弱くなると、骨をしっかり支えられなくなります。
この「支えの弱まり」が、すべり症の大きな原因のひとつです。
腰まわりの筋肉(腹筋・背筋・お尻の筋肉)は、腰の骨(腰椎)を支える柱のような役割をしています。
家でも、柱がしっかりしていれば建物は安定しますが、柱が弱るとグラグラしますよね。
同じく、腰まわりの筋肉が弱くなると 骨がずれないよう支える力が足りず、すべり症の痛みやしびれが出やすくなります。
長年の姿勢のクセは、腰の骨に同じ方向の力をかけ続けてしまうため、すべり症のリスクを高めます。
とくに、
こうした姿勢は、腰椎に偏った負担をかけ続けます。
高齢者の姿勢の悪化について、より詳しくは以下の記事でお話しています。
骨粗鬆症で骨密度が低くなると、骨そのものがもろくなり、背骨の強度も低下します。
すると、
という状態に。
骨が弱ると腰椎のすべりが進行しやすくなります。

次のような症状がある場合は、自分で改善しようとせず早めに受診しましょう。
☑️ 足のしびれが急に強くなった
☑️ 膀胱や腸の症状(尿が出にくい・漏れる・便意が分かりにくい)
☑️ 歩けないほどの強い痛み
☑️ 寝返りも打てない鋭い痛み
☑️ 熱をともなう痛み(感染症の可能性)
いつもの腰痛とは違うと感じたら、早めに医療機関へ行くことが大切です。

すべり症は、治療だけでなく 日々の生活習慣を少し整えるだけでも痛みが軽くなる ことがあります。
ここでは、今日からできる簡単なセルフケアを5つご紹介します。
猫背や背中の丸まりは腰椎に負担をかけ、痛みが強まりやすくなります。
座るときは次のポイントを意識しましょう。
このように姿勢を整えるだけで、痛みが軽くなるケースも多々あります。
同じ姿勢が続くと、腰のまわりの筋肉が固まって痛みが出やすくなります。
対策として、以下の2点を心がけましょう。
これだけでも血流が改善し、痛みの予防につながります。
冷えは筋肉を硬くし、神経の痛みも悪化しやすくなります。
などの小さな温め習慣が、腰のこわばりをやわらげます。
前かがみの姿勢は、すべり症の方には負担が大きい動作です。
たとえば、
といった対策をして、無意識に前かがみにならないように環境を整えるのがポイントです。
柔らかすぎる布団・沈むマットレスは腰に負担がかかります。
すべり症の方は、以下のような工夫をしてみましょう。
体が安定し、痛みが出にくくなります。

ここでは、日常生活で避けたい動作を以下4つの順にお伝えします。
起きた直後の体は筋肉が固まりやすくなっています。
以下のような前かがみは、腰椎のすべりを助長しやすい姿勢です。
これらの動作は避け、起きたらまず腰をゆっくり伸ばす動作からはじめましょう。
「持つ+ねじる」の組み合わせは、すべり症にとって最も負担の大きい動作です。
以下のような動作は避けましょう。
袋は分ける・台の上で作業するなど工夫をするとよいでしょう。
家事や買い物でありがちな姿勢です。
とくにお腹を前に突き出す反り腰は、腰の関節に強い負担がかかります。
たとえば、以下のような工夫をしてみましょう。
これだけでも腰への負担が軽くなります。
「痛いから動かない」は逆効果です。
じっとしているほど血流が落ち、神経痛が悪化しやすくなります。
座りっぱなしを避け、こまめな小さな動きを心がけましょう。

すべり症は、動かさなさすぎても痛みが悪化しやすい病気です。
とはいえ、歩く・立つがつらい日もある のが高齢者のすべり症の特徴。
そこで最適なのが、イスに座ったままできる軽い運動 です。
とくに高齢者のすべり症では、以下の理由から、座ったままの運動をおすすめします。
イスに座っての運動は、腰への負荷が少なく、安全です。
すべり症の進行を防ぐために大事なポイントは、「筋力維持」と「血流改善」です。
これらのポイントを意識して、簡単な運動を取り入れましょう。
この「座ってできる運動」については、以下の記事でより詳しい内容をお話ししています。

すべり症は、筋力の低下・姿勢・クッションの弱まりなど、
年齢とともに起こる変化が重なって起こります。
大切なのは、
痛みを悪化させない生活の工夫と、無理のない運動を続けること。
とはいえ「痛い日は動くのが怖い…」と不安を感じる方も多いでしょう。
そんな方には、座ったまま自然に足を動かせるサポート器具の使用をおすすめします。
なかでも、ご高齢ですべり症の方と相性が良いのが 、あしふみ健幸ライフです。
特許の構造でわずかな力でもスムーズに足が動き、ふくらはぎ・太もも・股関節が自然にほぐれます。
痛みが強い日でも足を置いて軽く動かすだけで取り組めるため、無理なく習慣化しやすいのが特長です。
「頑張る運動がつらい」「でも何もしないと痛みが悪化しそう」
そんな方にこそ、「ラクに続けられる運動」が心強い味方になります。

毎日の小さなケアで、すべり症と上手に付き合っていきましょう。
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