2021.02.24 血栓症

できると怖い【血栓】って、一体なに?何故こわいの?~発症する病気から予防策まで~

血管内で形成されると突然死をも引き起こす「血栓」。

 

血管内に血栓ができると、それまで流れていた血流がせき止められ、細胞や臓器に必要な酸素や栄養が行き届かなくなり、壊死してしまいます。

 

血栓という言葉だけなら、聞いたことがある方もいらっしゃるかも知れませんが、具体的にどんなものなのかご存じですか?

 

”血栓”の正体…

 

血栓とは、血管の中に血の塊ができ、それが脳や心臓、肺などの血管を塞ぐことで、心配停止に陥ったり、または重篤な後遺症が残る可能性の高い病気を引き起こす原因ともなる、非常に危険なものです。

 

この血栓は、血液の状態も大きく関係していて、”水分不足”や”運動不足”によって血液の粘度が高かったりすると、血栓が形成されやすくなります。

 

なかでも、後遺症が残る危険性が高い、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症といった病気の発症はとてもよく知られています。

 

この血栓は、身体のどの部位でも発生することがあり、血流に乗って移動します。

 

血栓が塞ぐ場所によって引き起こされる病気が違い、冠動脈で発生すれば「心筋梗塞」、脳の血管を塞げば「脳梗塞」、肺動脈に詰まれば「エコノミークラス症候群」となります。

 

水分不足も血液の状態に関係

 

血栓ができてしまうことの原因には、血液の状態も大きく関係していて、水分不足の状態が血液をドロドロにし、血栓形成のリスクを高めてしまうことがわかっています。

 

脱水と長時間の下肢の不動が合わさることや、乾燥しやすい飛行機内での長時間の座位から肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を発症しやすいのはそのためです。

 

血栓が引き起こす病気

 

血管の中にできた血栓が、血流によって脳や心臓、肺などへ運ばれると、後遺症が残る危険性が高い、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症を引き起こします。

 

年増加傾向にある脳疾患と心疾患

 

脳梗塞と心筋梗塞を含む脳疾患・心疾患は、現在1位が「ガン」、2位「心疾患」、3位「老衰」4位「脳血管疾患」となっています。

 

こうした病気の発症後は、半身不随や感覚の障害など、一命を取り止めたのち治療後でも日常生活が困難になるケースも少なくありません。

 

脳梗塞と若年性脳梗塞

 

脳梗塞と聞くと年配の方が発症するイメージですが、若い方でも発症するものがあります。

 

一般的な脳梗塞は、長年の高血圧や糖尿病と言った生活習慣により、血液の状態の悪化などから血管に詰まりが生じて引き起こされます。

 

一方、働き盛りの若年層、45歳以下の若い世代に起こる脳梗塞を「若年性脳梗塞」と言います。

 

若年性脳梗塞においても、発症するきっかけには血流が関係していますが、他にも因果関係があると考えられているものがあります。

 

抗リン脂質抗体症候群

 

血液中に、抗リン脂質抗体と呼ばれる自己抗体ができることにより、血液が固まりやすくなる病気です。

 

女性の場合、習慣性の流産の原因にもなります。

 

もやもや病

 

脳の動脈が狭くなったり閉塞してしまうことで、毛細血管が拡張する病気です。

 

毛細血管は、詰まりやすく脆いため、破裂して「脳梗塞」や「脳出血」を引き起こす可能性が高いと言われています。

 

一過性脳虚血発作

 

一過性脳虚血発作とは、「抗リン脂質抗体症候群」や「もやもや病」による脳梗塞の前触れの症状です。

 

症状としては、身体の片側の麻痺、感覚低下、言葉が出ない、片目が見えにくい、といったものがよく知られています。

 

一般的な脳梗塞・若年性脳梗塞も、血流が関係していて、血栓形成の予防が大切と言われています。

 

冬場はとくに怖い「心筋梗塞」

冬に怖い病気と言われる心筋梗塞は、男女共に日本人の死亡原因、第2位と言われています。

 

毎年の死亡者の約15%を心疾患が占めていて、心疾患の中でも突然死の危険性が高い心筋梗塞は、冬場での発生が夏よりも10倍高くなります。

 

心筋梗塞が発生してしまう仕組みは、血管内で形成された血栓が血流によって運ばれ、冠動脈を塞いでしまうことで起こります。

 

冠動脈の血管が塞がれ細くなったり詰まったりすると、心筋が酸素や栄養を受け取れなくなり心筋細胞が次々と壊死してしまい、心筋梗塞が起こされてしまうのです。

 

どんな症状?

 

先ほどまで元気だった人が突然死してしまう危険もある心筋梗塞は前触れがなく、突然胸の真ん中または左胸部を締め付けられるような痛みを感じます。

 

中には、

・胸をえぐられるような痛み

・火箸で刺されるような痛み

・胸を鈍器で潰されるような痛み

 

といった、聞いただけでもゾッとしてしまうような痛みを感じる方も。

 

入浴中の発生が多い

 

また心筋梗塞においては、入浴中の発生がよく報告されています。

 

日本全国では、年間1万人近くの方が入浴中に亡くなっていると考えられていて、その多くが65歳以上の高齢者と言われています。

 

42℃以上の熱いお湯は一時的の血圧が急上昇し、血液が固まりやすくドロドロになり、心筋梗塞を起こしやすくなるためです。

 

理想のお風呂の温度は、37℃~40℃と言われていて、このくらいの温度ですと、急激に血圧が上昇する危険性もなく、緩やかに血行が促進されます。

 

どうやって予防できる?

 

浴室や脱衣所は、事前に温めておくとヒートショックの危険性を減らすことが出来る他、湯船の蓋を開けた状態でお湯を張るだけでも効果があります。

 

また、夜遅くは気温が下がり冷え込むため、入浴時間を早めることも予防効果があります。

 

脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓症の予防には血流の停滞を防ぐことが大切

 

上記のような疾患には、食生活の乱れや運動不足といった生活習慣が大きく関係していて、現代社会ではますます加速が予想される『運動不足』が問題視されています。

 

予防には血流の改善が不可欠で、最新の研究でも”ウォーキング”などの有酸素運動による血栓予防にはとても効果があると期待されています。

 

ウォーキングによる「t-PA」の活性化

 

血管内で作られた血栓を溶かすのが「t-PA」と言われる物質で、脳梗塞を発症して間もない患者さんに投与される薬でもあります。

 

血栓を溶かすために重要なこの「t-PA」という物質ですが、実は私たちの体内でも分泌されています。

 

その「t-PA」が働きやすい体内環境を作るためには、特別な運動ではなく、ウォーキングなどの酸素を多く使う有酸素運動が効果的だと言われています。

 

更に、長期的にこのような運動を継続して行うことで、普段から「t-PA」が活性化しやすい体内環境を維持できると言われています。

 

変形性股関節症の治療後の”血栓症リスク”の回避にも

股関節の痛みの原因で最も多いのが、変形性股関節症。

 

大腿骨と関節軟骨がすり減って変形し、炎症や痛み、骨頭や寛骨臼(かんこつきゅう)の変形などをもたらします。

 

変形性股関節症の治療には、投薬や運動療法などのリハビリテーションといった保存療法と、人工股関節全置換術といわれる手術療法があり、人工股関節全置換術には、

・脱臼

・感染性

・緩みや破損

・血栓症

といったリスクや合併症も伴っています。

 

とくに術後注意が必要な血栓症は、本来下肢を動かすことによってなされる足のポンプ運動が、安静などの理由によって行われず、血流が滞りやすくなり、ふくらはぎの静脈に血栓ができやすくなります。

 

形成された血栓が、血管から肺へ移動してしまうと、「肺塞栓症」と呼ばれる重篤な合併症を引き起こすこともあるため、術後の血栓予防はとても重要になります。

 

血栓を予防するには、術後早い段階から足関節やかかとの曲げ伸ばしを行い血流を良くしたり、血栓症予防の靴下を履くなどの対策を取ることが大切です。

 

深部静脈血栓症のリハビリ

 

深部静脈血栓症とは、足から心臓へと血液を戻す下肢の深部にある血管(静脈)に血栓ができる症状で、できた血栓が肺や心臓へ流され、肺塞栓症などを引き起こす病気です。

 

麻痺や不全麻痺、ギプスなどで下肢を動かせない状態にある場合や、術後安静などでしばらく動けない状態の時は、発症リスクがあると言われています。

 

安易に触っては、症状を悪化させることも

深部静脈血栓が形成されてしまっている場合に、運動やマッサージなどをしてしまうと、かえって状態を悪化せてしまう危険があるため、注意が必要だと言われています。

 

どうやって見分ける?

 

よく観察したいのが、左右の足の膨らみや皮膚の色、痛みや浮腫みの有無です。

 

疼痛、炎症、また片方の足全体が膨張したり皮膚の色が赤黒く変色したりといった症状があります。

 

上記のような症状が確認された場合には、深部静脈血栓症の疑いがあるため、安易にマッサージや運動を自己流で行うなどは、避ける必要があります。

 

避けたい恐怖の合併症、肺塞栓症

 

肺塞栓症は、深部静脈血栓症において最も避けたい合併症です。

 

別名”エコノミークラス症候群”とも呼ばれる肺塞栓症は、下肢で形成された血栓が肺動脈に詰まる病気で、突然死の可能性もある病気です。

 

飛行機や長距離の移動、長時間の運転やデスクワーク、船舶でも起こり得ることから、旅行者血栓症とも呼ばれています。

 

深部静脈血栓症が確認されない時のリハビリ

 

術後、血栓症が確認されない場合には、術後の回復や運動機能の維持・回復、血栓症予防のためのリハビリが開始されます。

 

あくまでも血栓が無い状態が前提となり、血栓が有る場合には禁忌になります。

 

血栓症の予防には、血流の停滞を防ぐことが重要になり、歩行や運動により血流を促すことが必要になってきます。

 

下肢の筋肉を積極的に動かし、静脈の流れをよくすることが目的で、長い時間同じ姿勢などで下肢が動かない状態を避けることが重要になります。

 

血流のポイント”ふくらはぎ”

 

下肢、特にふくらはぎの筋肉には、ポンプのような動きで全身へ血液を届ける役割があります。

 

心臓から送られた血液は足へ溜まりやすいため、歩行やあしふみなどの歩行運動で、ふくらはぎのポンプ運動を促すことが大切です。

 

術後だけでなく、日常的な運動で病気の予防を!

血栓により発症する病気には、先ほどまで元気だった人が突然亡くなってしまうといった、恐ろしい病気ばかりです。

 

術後のリハビリにも、病気の予防にも、日頃から運動を継続して行うことが大切です。

 

また運動によって得られる健康効果は、大変大きなものがあります。

 

運動不足の解消

日本人の運動量は年々減少傾向にあり、運動不足による肥満・高血圧・糖尿病といった生活習慣病が懸念されています。

 

ストレスを軽減

 

身体を動かすことで「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」という物質が分泌され、ストレスへ対処する力や、精神的な落ち着きが得られます。

 

脳機能の維持・向上、認知症の予防

 

アメリカの研究でもウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、思考力・創造力・記憶力が向上することが報告されています。

 

4秒に1人が発症していると言われている認知症は世界規模で増えていて、多くの研究でも運動による認知症予防の効果が期待されています。

 

リハビリの現場でも活躍する「あしふみ健幸ライフ」

 

『あしふみ健幸ライフ』は、麻痺のある方や歩行が困難な方、高齢者の方でも、足を乗せるだけで歩行運動ができる優しい設計がされています。

 

実際にリハビリの現場でも取り入れられ、理学療法士や作業療法士の方にもご支持を頂いています。

 

術後の血栓予防、脳梗塞のリハビリや予防、心筋梗塞の予防、運動不足の解消、などなど血流促進の観点から幅広くお役立て頂けます。

 

車椅子に座ったまま、椅子に座ったまま、在宅ワーク中ご自宅でも簡単に。

 

電気やモーターを使わずに、足を乗せるだけで自然と動き出す仕組みで、ほんの少しの力で歩行運動ができます。

 

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