脳や臓器に酸素と栄養を運び、私たちが日々元気に活動するために大切な血の流れ。
その流れを止めてしまう血栓は、死に直結する危険性の高い病気のリスクを高めてしまいます。
・脳の血管が詰まること発生し、麻痺などの重篤な後遺症が残ることでも知られている「脳梗塞」。
・血栓が血の通り道を塞ぎ酸素や栄養が行き届かず、細胞や臓器が壊死してしまい、突然死も引き起こす「心筋梗塞」。
・長時間の座位などで下肢にできた血栓が肺の血管に詰まることで発生する「肺塞栓症(エコノミークラス症候群)」。
こういった重篤な病気の発生には、食生活や運動などの生活習慣が大きく関係していることがわかっていて、中でも運動による血流の促進はとても重要です。
そしてこれらの病気の発生は、日頃の運動によって十分に予防が可能です。
では、具体的にどんな効果があるのでしょうか?
・HDL(善玉)コレステロールを増やす!
コレステロールには悪玉と善玉の2つがあり、内臓脂肪が増えると善玉コレステロールは減ってしまいます。
コレステロール(油)は血中に溶けることができないため、血中の中性脂肪は血液の粘度を高めてしまい、動脈硬化を起こしたり血栓をできやすくしてしいます。
善玉コレステロールは、この血中の余分なコレステロールを回収して肝臓に運び処理する働きを持っているため、増やすことが大切です。
最近の研究では1日に15分~20分ほど、少し汗ばむほどの運動を習慣的に行うことで、善玉コレステロールを増やすことが出来ると報告されています。
近年、急速に増えてきたデスクワークや在宅勤務での長時間にわたる座位、運動の機会が減ったことによって起こる肺塞栓症(エコノミークラス症候群)。
長い時間座っていることで下肢の血流が止められると、血栓が作られます。
この血栓が立ち上がった時に血管から離れ、戻った血流とともに肺へ流れ肺の動脈を塞いでしまうことで発生します。
エコノミークラス症候群は、飛行機での発生がよく聞かれるかもしれませんが、長時間のデスクワークや運動の機会が少なく自宅でも座っている時間の長い方は、十分に発生するリスクが高くなります。
適度な運動など、こまめに足を動かして血流を滞らせないことが重要です。
また脱水状態は血液の粘度を高めてしまうため、水分補給も欠かしてはいけません。
運動の他にも、食事内容を見直すことも忘れてはいけません。
塩分や糖分、油や肉類などは少なくして、血液サラサラ効果の高いイワシやサンマなどの青魚、柑橘類やねぎ類などを多く摂るようにしましょう。
血栓症を防ぐために最適な運動は?
最も効果があると言われているのが、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動。
有酸素運動はエネルギー代謝が活発になり、血中の脂肪や糖分が洗い流され、血液をきれいに保ち血栓ができにくくなります。
ウォーキングやサイクリングと言った運動は、ふくらはぎや足の大きな筋肉をよく使うため、足のポンプ運動により血液が全身へと循環するのを促進できます。
あまり激しい運動をする必要はなく、少し息切れするほどの強度で行うと効果的です。
そのため無言で行うよりも、ご夫婦やご家族、仲の良いお友達と一緒に話をしながら行うと、ストレス解消にもなり効果が倍増します。
仕事やおしゃべりをしながらの運動は、身体だけでなく頭も同時に使うことで、血管だけでなく脳も刺激され、仕事の効率が上がったり、脳機能の向上や老化防止にも効果があります。
天候や場所に左右されない
血栓症予防には、運動を行うのが大切ですが、重要なのが「継続する」ということ。
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